研究実績の概要 |
本研究は、研究目的(概要)※ 当該研究計画の目的について、簡潔にまとめて記述してください。
本研究は、国内の刑事施設に収容されている外国人受刑者(F指標)への矯正処遇における日本語指導プログラムの導入や改善を目的とした基礎データの収集および提言を目的とするものである。国内で、外国人受刑者に対する矯正処遇施設として指定され、国際対策室を有する府中、横浜、大阪、栃木、名古屋刑務所の職員からの聴き取り調査を行い、オーストラリア、ベトナム、タイ、中国などで研究発表を行った。また、法務省成人矯正課が主体となって進めている、日本語指導教材の作成にも携わった。その構成としては、 所内生活に準拠した基礎編と、社会生活も視野に入れた応用編から成り、遵守事項・所内規則、居室場面、作業場面、医務診察場面、運動・入浴・教育行事場面などを中心とした 場面シラバスとなっている。この成果は、平成29年5月以降に、上記の刑事施設で、試験的に導入されることが決まっている。こうした教材は、外国人受刑者の心情把握や施設内での懲罰の減少にもつながり、処遇職員とのコミュニケーションを円滑に遂行させ,施設職員の接遇能力の向上や、自己肯定感に基づいた処遇の自信回復の醸成につながるものと思われる。欧米などでは、すでに実践プログラムなどが導入されているが、今後移民社会化する日本においても、同様な処遇環境整備ならびにサスティナブル(持続可能)な多文化共生社会の観点から重要な政策となるので、今後継続して実践研究課題にしていきたいと考えている。具体的には、法務省成人矯正課との連携を図り、各刑事施設で導入実践される予定の教材のフィードバックを基に、さらなる改善を継続していく予定である。
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