研究実績の概要 |
本研究の実施計画にのっとり、本年度は文献調査、及び関連文献資料のまとめを中心に行った。まず、研究に必要な基礎資料として、英語圏(主に米国)で出版されているアカデミックライティングのテキスト(最新版、必要に応じて旧版も)を可能な限り網羅的に収集し、その記述内容分析を行った。主なテキストはPublication manual of the American Psychological Association (2010), MLA style manual and guide to scholarly publishing (2008), MLA handbook for writers of research papers (2009), Turabian’s, A manual for writers of research papers, theses, and dissertations (2013), The Chicago manual of style (2010)である。分析は、論文構成、語学的側面、書式、引用、出版プロセス、統計、図表、研究法、倫理、法的知識の項目で各テキストの記述内容を比較し、それぞれの特徴を明らかにし、アカデミックライティングにおいて、どのような点が重視されているかをまとめた。 また、平成29年度、平成30年度に予定していた英語圏におけるアカデミックライティング指導の現地調査を前倒しして行った。具体的には、5月にイギリス・サリー大学を訪問し、倫理学担当のGeoffrey Hunt教授の協力を得て、サリー大学でのアカデミックライティング教育、及び論文執筆における倫理的配慮等についてヒアリングを行った。さらに、準英語圏としてマレーシアのマラヤ大学、プトラ大学、香港の香港中文大学、香港理工大学、香港科技大学、香港城市大学を訪問し、各大学の英語教育担当者に面会し、アカデミックライティングをはじめとする英語教育の実際についてのヒアリングを行い、併せて英語学習支援を行う部署を見学し、アカデミックライティングのワークショップやe-learning等、英語学習のサポートシステムについての情報を収集した。
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