研究課題/領域番号 |
16K13262
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
児玉 一宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (40340450)
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研究分担者 |
小山 哲春 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (60367977)
山梨 正明 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (80107086)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 構文文法 / 認知言語学 / 文法意識の高揚 / 英語教育 / 学習英文法 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、初年度の計画に基づいて、認知言語学研究および応用言語学の領域に関わる基礎研究を行った。 具体的な内容としては、認知言語学の文法・構文研究についての膨大な先行研究の中から、本研究に資する先行研究を精査し整理することに取り組んだ。特に基礎研究として、認知言語学の構文理論の一つであるGoldberg流の「構文文法」(Construction Grammar) の骨子について、英語の使役移動構文、二重目的語構文、結果構文、動能構文などの項構造構文を取り上げ、構文交替あるいは項構造交替を射程に入れた視点から研究を行った。 同時に、認知言語学に基づく意味論研究、そしてコミュニケーション方略や情報構造を扱う語用論研究の知見も参照した。さらに、構文拡張のメカニズムや周辺的事例への分析の仕方について検討を加えるなど、構文理論としての構文文法の理論的枠組みについて概観した。 研究の意義・重要性については、従来の学習英文法の指導における不備を補う、あるいは鳥瞰図的な視点から文法・構文現象についての納得できる説明を行う上で、構文文法を活用することにより、どのような貢献が期待できるかを推し量るための発見が得られた点にあると考える。また、英語教育、特に中等英語科教育での同理論の実質的活用に向けて予見される利点についても一定の考察を成しえたことも意義深いことである。この研究実績を踏まえて、平成29年度および平成30年度の研究においては、教育現場での実地調査に基づく本格的な研究を実施するなどして、教育現場を背景にした「理論と実践の往還」を目指していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
英語検定教科書の分析および教育現場での実態調査の取り組みが十分に実施できなかったため、計画通りには進展しなかったと考えている。今年度の研究では、この反省点に基づいて研究の実施方法を軌道修正し、研究のまとめの段階においては一定の成果をあげられるようにしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
言語研究についての海外の研究動向を調査するとともに、国内外の学会・研究会に参加するなどして、最新の応用言語学の知見に触れ、本研究の目的を達成するための研究を行っていきたい。特に、今年度は、本研究に関わる重要なテーマについて、外部の研究協力者からの専門知識の提供および講演会開催による研究推進を予定している。また、教育現場での実地調査に基づく研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度は、出張を含めて会合の機会が予定通りには持てなかったため、本年度の使用額が生じたと考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
国内外への出張旅費および専門的知識の提供を受けるため、講演会開催・講師招聘にかかる諸経費として計上する。
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