研究課題/領域番号 |
16K13269
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
久井田 直之 日本大学, 経済学部, 講師 (00724973)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英語教科書語彙 / 英語語彙 / 経済学英語 / 経済学英語語彙 / 既習語彙 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である、英語教科書の語彙を活用した高大連携の英語教育の可能性を示すため、2016年度はコミュニケーション英語Iの教科書の語彙の研究を進め、コミュニケーションに重きを置いた高校教科書の語彙が経済学の英語のテキストと重なりを調査した。口頭発表「コミュニケーション英語Iの教科書語彙と経済学英語」で、コミュニケーション英語Iの教科書の語彙と経済学の英語のテキストの語彙の間に約50%の重なりがあることと、capitalのような教科書の既習語彙も、経済学のテキストでは異なる意味で使用されているため、コロケーションや品詞なども十分に考慮する必要があることを明らかにした。語彙の重なりに関しては、教科書が25種類あるため、本研究の独自の既習語彙INDEX(100を最大値とした教科書の市場シェアに基づいた指数)を用いて詳細な分析を進め、INDEXが50以上の語彙は約15%で、INDEXが低い語彙の重なりが多いことを示し、INDEXの高い語彙よりもINDEXの低い語彙に配慮して語彙表を活用する必要があることを指摘した。従来の語彙研究は教科書の本文のみを分析の対象としているため、同様の調査を行った場合、本研究よりも語彙の重なりは少なくなることが予想される。本研究により、高校の英語教科書語彙の本文以外の語彙も活用することが、大学で英語により専門科目(経済学)を学ぶ場合に、有益である可能性が高いことを示した。2017年度はコミュニケーション英語Iの教科書が改訂を経て、35種類に増えたので、本研究の25種類の分析と対比できるように、さらに分析対象を広げ、研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教科書の入手に時間がかかったうえに、教科書の語彙分析を行うための基礎研究に予想以上に時間がかかり、予定していた一年目の基礎研究の60%程度に留まった。本年度は基礎研究の進め方を効率的に行えるように、昨年度に準備を十分に行ったため、本年度内に研究対象予定の教科書の基礎研究を終えられると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はコミュニケーション英語Ⅰの教科書の改訂があり、さらに35冊の新しい教科書を研究対象に加え、改訂前と改訂後の語彙比較も行えるように研究を進める。高校の教科書の基礎研究を優先して行い、英語コミュニケーションI, II, IIのテキストすべての語彙表の作成と分析、英語表現I,IIの語彙表の作成と分析を終え、コミュニケーションと英語表現(ライティング)の語彙比較を行うなど、多角的な分析を行い、その研究を正解として発表していく予定である。また、前年度に行えなかった海外の学会での発表や海外の学会誌への投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
語彙分析を行う前の基礎研究に時間がかかったため、国内外での本研究の中間報告の発表が行えずに、人件費と旅費の予算を使用しなかったため、繰越金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度は、基礎研究を昨年度よりも円滑に進め、国内外での本研究の中間発表を予定しており、前年度に使用しなかった人件費や旅費に研究基金を使用する予定です。
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