研究課題/領域番号 |
16K13269
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
久井田 直之 日本大学, 経済学部, 講師 (00724973)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 既習語彙指数 / 高校英語教科書語彙 / 経済学英語語彙 / 英語で経済学 / 経済学語彙表 |
研究実績の概要 |
文部科学省高等学校用教科書目録によれば、毎年採択される教科書の数が変わり、平成29年度に使用されるコミュニケーション英語Iの教科書の種類は前年の25種類から36種類に増え、平成30年度はコミュニケーション英語Iの教科書の種類は平成29年度の25種類から42種類に増える。2年目の平成29年度は、高校の英語科目の5科目の中で上位2つであるコミュニケーション英語I, IIのデータが構築を行い、それらを高校英語教科書語彙基礎データとして、アクティブラーニングを実現する上で日本での本格導入が期待される経済学オンラインコンテンツとの語彙比較、欧米で使用されている経済学のテキスト以外の日本人向けのテキストの調査を行った。2017年8月の韓国経済教育学会では、教科書語彙とオンライン上で公開されている経済学教育コンテンツのCOREプロジェクトのBetaヴァージョンを比較し、語彙の重なりが50%を超えていることを指摘し、本研究の示した語彙基礎データを用いて未習語彙表を作成し、語彙指導を行うことで 英語での授業時の内容理解につながる可能性があることを示した。また2017年11月にはNZASIAで、ニュージーランドのNCEA3(日本の大学一年に相当する)の経済学テキストが日本人学習者にとって語彙負担が少なく学ぶことができることを指摘し、語彙の面を考慮した英語経済学テキストの選定を行うことの有効性を示した。2018年3月にはCOREプロジェクトの本部があるロンドンを訪問し、英語の語彙分析を加味した経済学教育の可能性を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近年は1年ごとに教科書の改訂が進み、文部科学省による検定教科書の種類が大きく変化している。平成29年度はコミュニケーション英語Iが前年の25種類から36種類へ、英語表現Iが20種類から28種類に、平成30年度はコミュニケーション英語IIが25種類から42種類、英語表現IIが15種類から25種類に増加している。改訂前と改訂後の変化の分析ができるように教科書データの構築を進めながら、経済学語彙の分析を進めているため、遅れが生じている。次年度は最終年度にあたるため、基礎データの構築を重点に行う。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる平成30年度は、中学校の英語教科書語彙と高校英語教科書語彙の基礎データの作成を優先し、夏までに基礎データを完成させ、秋以降は研究論文と発表を積極的に行っていく。必要に応じて学生の研究補助を利用する。 語彙比較分析はデータ構築後に行い、3月までに昨年の研究発表を論文として執筆し、投稿を終えるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度行えなかった海外の学会での発表を行ったが、予定していた学会ではなく、英語語彙比較分析で日本人向けであるニュージーランドの経済学のテキスト分析の結果を発表できるNZASIAでの発表となり、当初の予算を上回った。しかし、前年度の繰越金等があったため、予算内に収まった。次年度は、研究論文の作成に関する費用が多く発生する予定ではあるが、決定学内に収まる予定である。
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