本研究が目指したのは、留学(Study Abroad)環境においての英語学習者の語用論的能力の発達と個人差の関連を明らかにし、それらに配慮した効果的な留学プログラム構築への提言を行うことである。3年間にわたる研究期間の最終年度にあたる2018年度は、主として研究成果のまとめ及び発信の期間と位置づけ、活動を行った。具体的な研究活動の状況を以下に報告する。 1. 2018年度前半 語用論的能力の発達と文法能力との相関について、5月に国内で行われた学会のPragmatics SIG Forumにて発表を行った。また6月にはイギリスで開かれたTeaching and Learning L2 Pragmatics Conferenceでは、語用論的能力の発達と動機づけとの関連について発表した。これらの国際学会における国内外の研究者との活発な意見交換を通じて、論文執筆への有益な示唆を得ることができた。それらに基づき、本格的な執筆に取り掛かった。 2. 2018年度後半 論文の執筆、および、英語教育への語用論的指導の応用に関する記事の執筆活動に取り組んだ。そのうち語用論的能力の発達と文法能力との相関について論じたものと、動機づけとの関連について論じたもの、計2編の単著論文を完成させて投稿し、査読プロセスを経て掲載が決定した(それぞれ2019年4月と5月に出版)。さらに外国語(英語)教育への応用に関する記事1編も投稿し、掲載が決まった。
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