研究課題
挑戦的萌芽研究
学習者の個人差要因の中で特に動機づけの側面に着目し、第二言語習得の動機づけと、留学環境下の英語学習者の語用論的能力の発達(会話の含意の理解)との関係を探った。日本人留学生の動機づけについては6つの因子:「自己決定」「自信」「L2理想自己」「L2義務自己」「関係性」「L2コミュニケーションへの積極性」(L2WTC) が認められ、会話の含意の理解力が留学前後とも高いタイプの学習者にはこのうち「自信」の動機づけ因子のみが有意に強く働いていることがわかった。
中間言語語用論
海外留学プログラムを有する大学が増加しつつある昨今、異文化間におけるコミュニケーション能力に関わる語用論的能力を効果的に発達させていく方法を探ることは急務であり、かつ重要な課題である。本研究では学習者の個人差要因の中でも動機づけに着目し、留学前からの英語に対する「自信」の動機づけ因子が強い学習者の語用論的能力が留学前後共に高いことが示された。今後さらなる個人差要因を明らかにし、研究を進めていくことで、語用論的能力の発達に有効な留学プログラム構築への貢献が期待される。