研究課題/領域番号 |
16K13283
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研究機関 | 長崎純心大学 |
研究代表者 |
滝澤 修身 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (60640464)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ユネスコ / 遺産登録 / 長崎 / 潜伏キリシタン / イエズス会 / 日本年報 |
研究実績の概要 |
私の研究は、長崎・天草の潜伏キリシタン関連遺産のユネスコの世界遺産登録に向けての史料収集、編纂を行うことである。キリシタンの中心地であった16・17世紀の長崎に関する史料である『日本年報』の手稿をヨーロッパの諸古文書館から収集している。 本件に関わる『日本年報』の手稿を以下の古文書館で収集した。イタリアのローマ・イエズス会文書館、スペインのトレド管区イエズス会文書館、王立歴史学学士院、国立図書館、国立文書館、王宮図書館である。収集しなければならない史料のほぼ90パーセントは、収集が終わっている。 収集した日本年報を現代の活字に転写している。スペインの王立歴史学学士院に本館される日本年報についての作業を行っている。収集した『日本年報』の手稿は、解読が難しく、活字にする作業は、これからも継続しなければならない。 収集した史料をもとに『概説 イエズス会日本布教史(16・17世紀)』(日本語)、『侍の世界のイエズス会士』(スペイン語)、『長崎教会史』(スペイン語)を執筆した。現在、原稿は出版社に送り、出版準備中である。数か月後に、出版される予定である。また、研究報告書も研究の進展状況に合わせ、執筆してきた。 『概説 イエズス会日本布教史(16・17世紀)』では、日本でのイエズス会の宣教を中央政権との関連において概述した。『侍の世界のイエズス会士』では、主に、日本でのイエズス会士の宣教法に注目した。長崎との関連で、イエズス会宣教師が実際にどのような方法で日本人に対してキリスト教布教行ったのかを明らかにした。『長崎教会史』では、今回の科研の研究成果を盛り込んで著述を行った。 また、昨年度は、長崎市において、市民に研究成果を普及するために、2回の報告会を行った。本報告を通じ、長崎市民に当該の遺産登録の内容や進展状況が詳しく理解していただけたと思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料収集、史料編纂、執筆ともに順調に進んでいる。イタリアのローマ・イエズス会文書館に、大半の日本年報の手稿が入手できた。本古文書館で収集した日本年報は、ポルトガル、ベルギー、メキシコの諸古文書館の史料と重複している。また、資金が不足しているため、重複分はあえて収集しないことにした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究の最終年である。スペインのマドリードにて、学会を開催するつもりである。また、長崎市で2回の報告会を行う予定である。あと、大英図書館での史料収集がまだ終了していないので、インターネットを通じ、史料を入手する。3年間の研究報告書を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
スペインで、研究成果を普及させるために、学会を開催する予定である。また、継続して、スペインで史料調査を行い、研究成果報告書を作成する。
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