| 研究課題/領域番号 |
16K13292
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
上峯 篤史 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (70609536)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 縄文時代 / 石材原産地 / 原産地推定 / 情報流動 / 打製石器 / 編年 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では「石器石材の獲得法」という観点から、西日本の先史社会が複雑化するメカニズムを明らかにすることをめざす。本年度は①これまでに集積した黒曜岩の成分分析データの解析と原産地推定、②打製石器編年の構築、③両者の相関関係の把握による、近畿地方の縄文時代文化をめぐる情報流動の描出、を実施した。
①については、2016年度までに収集した、日本列島各地の黒曜岩製遺物の成分分析データ（携帯型蛍光Ｘ線分析装置による）を解析し、原石データとの比較から、近畿地方のデータについて原産地を推定した。これによって、近畿地方の縄文遺跡に、山陰産黒曜岩、中部産黒曜岩の他に、北海道産黒曜岩、九州産黒曜岩が搬入されていることと、その時期を明確にし得た。時期決定は、②の石器編年も活用した総合的な検討によった。これらの手続きによって、どの原産地の黒曜岩がどの時期に持ちこまれているのかを明確にし得た。
②については、近畿地方の細石刃石器群以後から弥生時代前期までの打製石器の編年を構築した。編年は、型式学的特徴や層位学的所見のほか、石器表面の風化程度も考慮して組み立てた。この作業によって、石器の時間的変化が明確になっただけでなく、並行関係にある他地域との影響関係を把握することが可能となった。また①の黒曜岩製遺物の時期決定についても、共伴した打製石器の年代を決定することで、厳密な時期比定が可能となった。
③については、①・②の成果を総合して、両者ならびに土器型式圏の動き、湖沼堆積物などに基づく古環境変動記録が概ね一致することを明らかにした。一連の成果を単著に取りまとめ、今後の研究の叩き台となる成果を公表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた研究項目を推定できたほか、ここまでの成果を単著に取りまとめることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度は石器石材原産地における石材獲得行動についての研究項目を遂行予定で、その成果をもとに、一連の研究成果の取りまとめを実施する。
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