本研究では,東日本大震災の復興計画から外れて進行している住宅建設が,都市計画全体の進捗に及ぼす影響を明らかにするために,石巻市の土地利用改変に関する衛星画像解析と東北地方全体の人口動態に対する統計分析を行った。 衛星画像解析の結果,震災後,市街地の外縁部において,緑地から人工物への土地利用改変が進行していることが明らかになった。住民は災害リスクを強く認識し,標高の高い内陸部の土地を指向するようになった。また,人口動態に対する分析からは,小規模な自治体では,宅地供給の遅れや地価の上昇によって人口流出が加速化し,それが被災地の復興後の持続的成長を困難にする大きな問題となっていることが分かった。
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