研究課題/領域番号 |
16K13300
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木村 周平 筑波大学, 人文社会系, 助教 (10512246)
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研究分担者 |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (40369864)
内藤 直樹 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 准教授 (70467421)
門田 岳久 立教大学, 観光学部, 准教授 (90633529)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 開発・援助 / エスノグラフィ |
研究実績の概要 |
・6月に立教大学池袋キャンパスにおいて第1回研究会を行い、メンバーのこれまでの成果を共有するとともに、今後の進め方について議論した。とくに予算がかなり減額されたことは重大な問題で、申請書通りの計画が遂行困難であると判断し、2か所での合同フィールドワークを行う計画であったものを見直し、1回行うこととした。 ・8月に、木村と鈴木が、佐渡市二見地区において、門田と小西が7年間にわたって進めてきたこの地区での活動のうち、学生参加の合宿型ワークショップである「夏学校」に参加し、現地の当事者たち、および参加した学生たちなどの活動を観察し、またこれまでに活動について現地で聞き取りを行うことによって、現場で何が起きているか、どのように知や実践が進められているかについて調査した。そこからは、現地のキーパーソンとのかかわりや、それぞれのメンバーの気づきを柔軟に取り入れることで活動を活性化していること、また持続的に活動するなかで意図せずに形成された役割分担や距離の取り方などが明らかになった。またその後、10月に立教大学池袋キャンパスで行われた活動の振り返りにも出席し、参加学生の考えなどについて調査した。 ・11月に筑波大学東京キャンパスにおいて第2回研究会を行い、8月の調査について参加できなかったメンバーと調査内容を共有するとともに、今年度の具体的な活動内容について意見交換、および本科研の中間成果であるシンポジウムや、最終成果である書籍出版について議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り、本科研においては予算が大幅に減額され、当初計画通りの実施が困難になったため、計画の見直しを行う必要があった。主な見直しは以下の点である。①当初計画では初年度と2年目に2か所ずつでのフィールドワーク・ワークショップを行う予定であったが、それを各年1か所に減らし、不足分があるので最終年度である3年目にもフィールドワーク・ワークショップを行うこととし、最終年度行う予定であった合同ワークショップを断念した。②各フィールドワーク・ワークショップに補助として来てもらうはずの大学院生に対する謝金も断念し、メンバーだけで調査を行うこととした。③活動を掲載予定であったウェブサイトの作成も断念した。 このようにプロジェクトをフィージブルなものにするためにかなり大きな変更を行うことになったが、その変更済みのプロジェクトについては、2度の研究会での成果の共有と議論、および中心である夏季の調査を行うことができた。特に夏季調査においては、佐渡での活動に参加しつつ観察し、関係者に聞き取りを行うことができたので、活動を進めてきたメンバーの視点とは異なる視点から佐渡での活動を見直すことができ、様々な気づきや発見があった。こうした点については今後、学会やシンポジウムなどで発表していくことを計画している。 以上より、修正した計画に即していえば、本科研はおおむね順調に推移しているということができる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の経験を活かし、2年目と3年目(最終年度)の研究を進める。2年目である平成29年度は春に東京で研究会を行い、今年度の活動計画について確認・議論するとともに、成果の公開についても具体的な計画を定め、それに従って進める。そのうえで、夏に木村が進めてきた岩手での学際的な被災地調査活動について調査を行う。秋に第2回研究会を東京で行ってその成果を共有するとともに、翌年に予定している日本文化人類学会での分科会、および最終成果となる書籍についても具体的な計画を策定する。 最終年度である平成30年度においては、同じく春に東京で研究会を行い、今年度の活動計画について確認・議論する。6月には日本文化人類学会での分科会を実施し、これまでの成果を報告し、参加者とともに意見交換を行う。そのうえで、夏には内藤が進めてきた徳島における地域還元型の実習授業に参加し、関係者に対する聞き取り調査も行う。秋に第2回研究会を行ってその成果を共有するとともに、最終成果について議論する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算の減額を受けて、科研研究会の日程をメンバーの別の出張予定と合わせる形で行い、効率的な運用に努めたこと、およびプロジェクトとして計画していた夏季の合同調査に日程が合わず参加できなかったメンバーがおり、その旅費が使用できなかったため、次年度使用額とした。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費については年度内のバランスを見ながら支出し、また昨年は行うことのできなかった、研究会にメンバー外の研究者を招聘し、知見を共有してもらうということも行うことで、次年度予算と合わせて適切に使用する予定である。
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