本研究では、ICT,IRTを含む福祉機器を利用する在宅認知症高齢者や精神障害者の生活世界を、文化人類学的研究から分析し、生活の質的変化(認知症高齢者と声掛けロボットとの関係性、張り合い等)と、本人のリアリティ構築要素(家族や専門職の対応等)を明らかにした。また福祉機器開発研究との連携に向け、分析結果をICFに沿ってまとめた。加えて、技術者等との議論より、文化人類学の研究手法と知見が、地域コミュニティでの開発研究の進め方、本人の生活理解と接し方に役立つことを明らかにした。今後、在宅認知症高齢者や精神障害者を対象とした福祉機器開発研究への情報提供(チェックシート等)を準備していく予定である。
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