研究課題/領域番号 |
16K13310
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 立教大学 (2017-2018) 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構本部 (2016) |
研究代表者 |
木村 自 立教大学, 社会学部, 准教授 (10390717)
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研究分担者 |
歌川 光一 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (50708998)
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研究協力者 |
広瀬 浩二郎
松本 義和
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 視覚障害者文化 / 按摩 / 台湾 |
研究成果の概要 |
台湾の視覚障害者施設、盲学校、視覚障害者マッサージ店舗において実施したフィールド調査に基づき、台湾視覚障害者の按摩業に関する職業訓練、按摩業従事者のライフヒストリーの収集と分析を行い、国際学会での口頭発表、機関紙における報告を行った。データの分析を通して、(1)台湾において按摩業が視覚障害者以外の従事者に解放されたにもかかわらず、行政や民間団体などの支援によって、逆に視覚障害者が按摩業に従事する機会が増加していること、(2)按摩業に従事する視覚障害者にとって、按摩業への参入が視覚障害者の職業アイデンティティの覚醒につながっていることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、視覚障害者按摩を「視覚障害者文化」の一つとしてとらえることで、ノーマライゼーション論が前提とする単線的平等志向とは異なり、「見えないこと」によって喚起される触覚の特異性を基盤として、視覚障害者と晴眼者が双方的に対話し新たな文化創造を目指すための理論構築を目指すことができる点にある。 社会的意義としては、視覚障害者按摩を「視覚障害者文化」として提起しなおすことで、視覚障害者・晴眼者の双方が、「視覚障害者按摩」の積極的な意義を見出し、「見えないこと」によって拡張される文化領域を認識することができる点にある。
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