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2018 年度 実績報告書

プラットフォーム・ビジネスにおける協調的行動規制の国際的統一の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K13322
研究機関山口大学

研究代表者

渕川 和彦  山口大学, 経済学部, 准教授 (00711227)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードプラットフォーム・ビジネス / 電子商取引 / 協調行動 / ハブ・アンド・スポーク / ファシリテーター / プラットフォームビジネス / 共同行為 / カルテル
研究実績の概要

研究実績として、まず、EU競争法では、関連市場で事業活動を行っていない事業者により誘引された共同行為について、ファシリテーター型共同行為、ハブ・アンド・スポーク型共同行為規制の判例・学説を中心に検討した。ファシリテーター型共同行為の先例であるAC-Treuhand事件欧州司法裁判所判決(2015年)では、カルテルに参加するファシリテーターに対して、カルテルが行われている関連市場で事業活動をしていなかったとしても(1)共通の目的を追求する全体の計画、(2)その計画に対する事業者の意図的な寄与、(3)他の参加者の違反行為を知っていること、または合理的に当該行為が行われることを予見し、リスクを取る用意があればEU機能条約101条1項が適用されることを明らかにした。
また、ハブ・アンド・スポーク型共同行為規制の先例となるEturas事件欧州司法裁判所判決(2016年)によれば、関連市場では事業活動を行っていない旅行予約システムのサービスの提供業者であるEturasについても、価格協定のメッセージをコンピュータシステム上で送れば101条1項上の協調行為の法的責任を問うことが可能となっていることを明らかにした。
次に、我が国では、独占禁止法における不当な取引制限として、「意思の連絡」あるいは「合意」がありその態様としての「相互拘束」または「共同遂行」がある場合に不当な取引制限として違法となるところ、多摩談合最高裁判決(2012年)は、相互拘束要件の解釈を緩和し、取引段階の異なる事業者を含む、いわゆる「縦のカルテル」についても相互拘束で読み込む余地を認めたとする理解も可能である。しかし、新聞販路協定事件判決(1953年)の「相互拘束」の解釈について明確な判例変更がなされた訳ではなく、「縦のカルテル」は依然として要件解釈・エンフォースメント上の課題を抱えていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] EU競争法におけるコンピューター・システムを利用した協調行為に対する規制-Eturas事件欧州司法裁判所判決2019

    • 著者名/発表者名
      渕川和彦
    • 雑誌名

      公正取引

      巻: 822号 ページ: 57-62頁

  • [雑誌論文] 欧州競争法における取引段階及び市場の異なる事業者が誘引した共同行為の規制2019

    • 著者名/発表者名
      渕川和彦
    • 雑誌名

      慶應法学

      巻: 42号 ページ: 319-336頁

  • [雑誌論文] カルテルを組織したコンサルティング会社のEU機能条約101条における違法性- AC-Treuhand事件欧州司法裁判所判決2018

    • 著者名/発表者名
      渕川和彦
    • 雑誌名

      公正取引

      巻: 811号 ページ: 91-96頁

  • [学会発表] Eturas事件欧州司法裁判所判決2018

    • 著者名/発表者名
      渕川和彦
    • 学会等名
      独禁法研究会
  • [備考] プラットフォーム・ビジネスにおける協調的行動規制の国際的統一の検討

    • URL

      https://sites.google.com/view/platform-business/

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公開日: 2019-12-27  

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