研究課題/領域番号 |
16K13325
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 邦彦 北海道大学, 法学研究科, 教授 (00143347)
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研究分担者 |
水野 紀子 東北大学, 法学研究科, 教授 (40114665)
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 同性愛 / 性同一性障害 / 婚姻法 / 人工生殖 / 脱構造主義 |
研究実績の概要 |
1)同性愛及び性同一性障害に関する差別問題の実態調査に関して、吉田も日米比較を通じて、家族法研究の一環で検討を行っている。論点としては、第1に、婚姻に準ずる効果がどれだけ認められるか、第2に、雇用その他の生活の場での差別の実態調査、ないしその克服の検討(不法行為法のこの方面での充実)、第3に、アメリカなどと同様の親子関係が認められるかである。また、分担者鈴木は、各自治体レベルでのパートナーシップ容認への動きについて、従来より尽力している(2016年6月には、秋元札幌市長への要請行為も行い、同年4月には、札幌弁護士会主催のシンポ、同年12月には、北大文学研究科主催のサステイナビリティウィークシンポで、その関係の報告を行っている)。他方で、分担者水野は、親子関係法に関する研究を継続させており、LGBTの親子関係法の設計における関連研究の意味を持っている。
2)比較法的研究として、日韓家族法学会に参加し(2016年6月24日)、日韓の異同について議論することができたし、アメリカのLGBTのリーダー会議に出席し(12月9-10日)、トランプ政権になってからの状況の悪化及びそれへの対抗戦略などについて論議した。さらに、分担者鈴木は、日台研究を鋭意進めている(2017年2月24日に、許秀ブン氏(弁護士、台湾同性伴侶権益推動聯盟理事長、元立法院委員選挙候補者)を明治大学に招聘し、「台湾における婚姻平等化に向けた法改正の動きについて──その歴史と到達点、展望」と題する講演がなされた)。
3)しかしそれを超えて、原理的にこの問題を深める研究は、なお不十分で、この課題は、次年度に委ねられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それなりに、実態研究などは進めており、おおむね予定通りだが、未だ刊行物としての成果には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
実態に関する比較法的研究をさらに進めたい。
さらに、今年度都合が悪かったハリー教授(ハーバード大学)に面会しての議論などを通じて、原理的研究を進捗させたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者鈴木の本研究との関係で、次年度に台湾出張を予定していて、まとまった支出を要し、今年度は節約の必要が出たため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度旅費と併せて、適宜対応する。
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