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2018 年度 実績報告書

「人の法」の基礎理論構築を目指して――多様化する人格的利益とその法的構成

研究課題

研究課題/領域番号 16K13329
研究機関早稲田大学

研究代表者

吉田 克己  早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授(任期付) (20013021)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード人の法 / 人格的利益 / 人格権 / civil / 都市環境 / 所有者不明土地問題 / 相続法 / 民法の体系
研究実績の概要

3年計画の最終年度であり、成果の公表を行うことに力を注いだ。
①総論的検討としては、「『人の法』の構築--フランス民法学からの示唆」と題する論稿を公表することができた。日本における「人の法」の問題意識の展開を整理した上で、フランスの体系書・教科書における「人の法」体系の変遷をフォローし、日本法における示唆を得ようとするものである。この論文は、法律時報誌の学界回顧においても、2018年度の注目すべき理論動向を示すものとして取り上げられた。また、同書に、「社会構成原理としてのcivilと法の基本思想としてのcivil」を論じる「序論」も寄稿することができた。さらに、末弘・川島・戒能という3人の民法学者の法理論を市民社会論・civilの観点から検討する論稿も公表することができた。
②各論的検討としては、都市環境問題についての検討に力を注いだ。当初は、景観権を中心に取り上げる予定であったが、都市縮小時代の都市と都市環境という問題に重点をシフトし、所有者不明土地問題を中心とする何本かの論文を公表することができた。また、この領域での作業を集大成する図書『現代土地所有権論』を公表した。この問題は、基本的には「財の法」にかかわるが、「人の法」の観点からも多くの検討すべき問題を含んでいる。他方で、相続法の今後のあり方を論じる論稿も公表することができた。さらに、一般的な人格権の法構造論に取り組み、基本的な問題構造についての見通しを得ることができた。
③国際的な理論交流としては、日仏ワークショップ「デジタル法」(フランス側責任者:Mustapha Mekki教授ほか)において日本側責任者として参加者のオーガナイズを担当し、議論にも参加した。デジタル法は、AIと法主体性の論点など、「人の法」の観点からも多くの論点を含んでいる。なお、このワークショップの概要を紹介する小論稿も公表した。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (12件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 《法とデジタル》に関する日仏ワークショップ2019

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      現代消費者法

      巻: 42号 ページ: 60-63

  • [雑誌論文] 序論:社会構成原理としてのcivilと法の基本思想としてのcivil2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      水林彪・吉田克己編『市民社会と市民法――civilの思想と制度』

      巻: 0 ページ: 1-41

  • [雑誌論文] 『人の法』の構築--フランス民法学からの示唆2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      水林彪・吉田克己編『市民社会と市民法――civilの思想と制度』

      巻: 0 ページ: 177-214

  • [雑誌論文] 所有者不明土地問題と民法学の課題2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      土地総合研究

      巻: 26巻2号 ページ: 42-79

  • [雑誌論文] 『家族』と『相続』――通時的検証2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      家族〈社会と法〉

      巻: 34号 ページ: 18-28

  • [雑誌論文] 所有者不明土地問題と土地所有権論2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90巻9号 ページ: 68-77

  • [雑誌論文] 土地所有権放棄・相続放棄と公的主体による土地の受入れ2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      土地総合研究

      巻: 26巻3号 ページ: 18-38

  • [雑誌論文] 社会構成原理としてのcivilと法の基本思想としてのcivil2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 90巻10号 ページ: 68-73

  • [雑誌論文] 民法1条1項(公共の福祉)注釈2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      山野目章夫編『新注釈民法(1)総則1』

      巻: 0 ページ: 107-130

  • [雑誌論文] 所有者不明土地問題対応の近時の展開と農地・林地・漁場の過少利用問題2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      土地総合研究

      巻: 26巻4号 ページ: 59-71

  • [雑誌論文] 相続法の現代的課題――歴史的視点から2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 154巻5号 ページ: 1-24

  • [雑誌論文] 末弘・川島・戒能と市民社会論2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 雑誌名

      法社会学

      巻: 85号 ページ: 19-35

  • [学会発表] 末弘・川島・戒能と市民社会論2018

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 学会等名
      法社会学会
    • 招待講演
  • [図書] 現代土地所有権論--所有者不明土地問題と人口減少社会をめぐる法的諸問題2019

    • 著者名/発表者名
      吉田克己
    • 総ページ数
      480
    • 出版者
      信山社
    • ISBN
      978-4-7972-6771-6
  • [図書] 市民社会と市民法――civilの思想と制度2018

    • 著者名/発表者名
      水林彪・吉田克己編
    • 総ページ数
      623
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-52234-3

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公開日: 2019-12-27  

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