市町村選挙のタイミングがランダムであることを利用するので、投票率に影響する要因を分析するにあたって、省略変数バイアスを免れることができ、厳密な因果推論が可能となる。また月齢と投票率との関係は、生物学・医学などの理系分野にまで絡む問題である。 そもそも統一地方選を行う理由としてよく挙げられるのは、「住民の地方選挙に対する関心が高まり、自治意識の向上が図られる」つまり投票率が上がる、ということであるが、本研究はその実証的な根拠に疑問を投げかける意義がある。また若者の投票率が低い中で選挙権年齢が引き下げられる今日、20歳台前半の投票率を上げる一方策を示唆する意義がある。
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