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2016 年度 実施状況報告書

新しい貨幣モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K13349
研究機関神戸大学

研究代表者

神谷 和也  神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (50201439)

研究分担者 清水 崇  神戸大学, 経済学研究科, 教授 (80323468)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード貨幣サーチモデル / 非決定性
研究実績の概要

貨幣モデルは、非決定性に関連して2種類に分類できることを明らかにした。具体的には、貨幣保有分布から分布の定常性を表す式へのマップが強連続(ノルム連続)の場合には、バナッハ空間上の陰関数定理の条件が満たされる限りにおいて、非決定性(定常均衡が連続無限)になる。また、この性質は当該位相において開集合になる。また、やや強い条件を満たせば稠密性も成立する。この場合は、ある意味、方程式の数と変数の比較を無限次元に拡張できる場合になると考えられる。一方、このマップが*弱位相における連続性しか満たさない場合は、定常均衡が有限個になり決定性を持つ可能性が発生する。この場合には、そもそも微分も定義できず陰関数定理を適用できない。また、方程式の数と変数の数の関係の無限次元版を考えることが困難になり、多くの興味深い場合が発生するものと考えられる。これらの結果は、貨幣的均衡の非決定性を、数理的に新しい観点から明らかにするものである。つまり、これまで明らかではなかった連続分布における非決定性問題に解決を与えるものであり、重要な成果と考える。なお、結果は、数理的に細部の条件などを詰めたうえで、ディスカッションペーパーにまとめる予定である。
なお、Kamiya and Shimizu (Journal of Economic Theory, 2011)の非決定性を持つモデルは前者の例になり、Kamiya and Shimizu (Journal of Money, Credit, and Banking, 2013)のAll-pay Auctionモデルは後者の例になることも分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

28年度の目的は、特に連続分布の場合に、数学的に非決定性の問題を分析することにあった。細部の条件は詰めていないものの、この問題の大体の数理構造は明らかになった。また、得られた条件に合致する決定性の例と非決定性の例が存在することも分かった。以上より、おおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

29年度は、数学的な細部の条件を詰めることが第一の目的になる。次に、決定性の成立する新しい貨幣モデルを構築することが第二の目的になる。数学的には、決定性のための条件がほぼ明らかになったので、この条件を考慮の上で、政策などが分析できる貨幣モデルを構築することになる。

次年度使用額が生じた理由

研究のための出張が、2017年4月にずれ込んだため、次年度の使用となった。

次年度使用額の使用計画

2017年4月の出張で既に使用している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Real Indeterminacy of Stationary Monetary Equilibria in Centralized Economies2017

    • 著者名/発表者名
      K, Kamiya. K. Nakajima, and S. Kubota
    • 雑誌名

      Japanese Economic Review

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/jere.12145

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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