超長期の経済データによると、産業革命以前には一人当たり実質所得の上昇はほとんどなかったと考えられている。限られた土地供給量の下、人口が増える結果、一人当たりの消費量は生存に必要なぎりぎりの値となるという、マルサスの貧困の罠が大きな役割を果たしていた。生産要素として土地が重要であり、人々の生活水準・効用は、量的な消費水準以外の部分で発展したと考えられる。本研究では、土地に注目したマクロモデル、消費以外から受ける効用に注目したモデルを構築し、分析した。それにより、現在の技術進歩のパターンや、経済ショックがあった場合の人々の行動パターンについてよりよい理解を得ることができた。
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