過去に作成した1988-2012年の市区町村別・男女別の自殺率・社会経済人口学変数の地域パネルデータに、以下の4変数を加えた。(1)全国消費実態調査の収入・貯蓄・負債階級データから推定された各変数のジニ係数。(2)実物資産額。(3)平米当たり平均地価。(4)男女別・勤労世代/退職世代別の未婚率、離婚率、死別率。この拡張データベースの分析と、それを用いた市区町村自殺率の動学パネル回帰分析により、次の諸点が示唆された。(a)不動産変数は景気変動と直ちに連動する。(b)負債ジニ係数は他変数のジニ係数と関連が薄く、景気変動とタイミングがずれる。(c)負債ジニ係数は男性自殺率と強く正相関する。
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