本研究では、経済集積の秩序形成について日本のデータを中心に実証するとともに、そのメカニズムを理論化し、多様な経済活動の集積とそれらの空間的同期現象の結果として説明した。一国経済規模で起こる秩序形成の事実は、個々の都市の規模・産業構造等経済的な性質が、より広域な地域経済の構造と、秩序形成を介して相互依存することを意味し、そのメカニズムの定式化は、経済政策やインフラ整備が個々の地域経済に及ぼす効果を評価するために不可欠な手続きとなる。 また、本研究では10万次元を超える高次非線形システムの均衡解をランダム抽出する効率的手法を開発し、より一般的な非線形モデルへの応用が期待される先駆的な成果を得た。
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