一年目の文献調査とベンチマークとなる実験デザインを基礎とし、二年目において資源の持続可能性を検証する追加実験、及び、前年度の結果を受けて更に新しい実験を実施した。二年間の研究において、資源の持続的利用には人々の社会選好性が非常に重要である事、そして、将来思考的な発想を各個人が持てるか否か、等資源に対する考え方も大きな影響がある事が実証された。又、都市域に住んでいる人々程利己的な傾向が強く、その為、異世代間を超えて資源を持続的利用しようとする意欲が低い事等も実証された。こうした結果は、異世代間を超えて新たな資源を如何に持続的に利用出来るのか(現世代が将来世代の為に十分な資源を残さない)と云う新たな課題「異世代間ジレンマ」を発見した事にも繋がっている。こうした異世代間ジレンマと上記した実証結果はフィールドとラボ実験の両方で頑健に実証され、非常に興味深い結果が提示された、と考えている。今までの所、実施が既に終了している実験データを下に、数篇の論文を書き上げており、既に学術誌に投稿している。二年目で更に実施した実験のデータを下に現在も複数の論文を書き上げられる予定である。
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