GIS(地理情報システム)と空間統計を用いて、女性就業の地域差およびその要因を分析した。東京都市圏の女性の労働力率と正規雇用率の空間パターンは、配偶関係および子供の有無により顕著に異なる。既婚の母親の労働力率および正規雇用率のコールド・スポット(低い値の集積地)の多くは内側郊外部(inner suburbs)に見られ、その多くは男性の通勤時間のホット・スポット(高い値の集積地)と重なる。空間計量経済モデルで分析した結果、既婚の母親、特に高学歴の既婚の母親の労働参加は通勤時間の影響を受けやすいことが示唆された。通勤労力を軽減する政策は、育児中の女性の就業を促進する政策インプリケーションを得た。
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