研究課題/領域番号 |
16K13371
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
岩田 和之 松山大学, 経済学部, 教授 (90590042)
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研究分担者 |
広田 啓朗 武蔵大学, 経済学部, 教授 (10553141)
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (30633474)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 企業誘致 / 自治体 / 地方創生 |
研究実績の概要 |
2018年度は2015年12月~2016年2月に実施した第1回の全国自治体調査の分析を行った。この調査では1741自治体のうち、668自治体から回答を得ることができている(回収率38.4%)。市区、町、村の自治体区分別に結果を見ると、企業立地促進法に基づく基本計画策定状況については市では50%、町では16%、村は9%が策定しており、規模の小さい自治体ほど企業立地の基本計画が策定できていないことがわかった。また、企業誘致・立地に関する上程については、市では69%が策定済みである一方で、町は61%、村は30%となっており、条例策定も同様の傾向が見て取れた。2011~2013年の3か年の間に行った自治体誘致件数では市は平均で11.1件であったが、町と村ではそれぞれ0.67件、0.39件となっており、実際に規模の小さい自治体では企業誘致実績も少なくなっていることも確認できた。地方創生の役割に大きな期待が寄せられているものの、実際の企業誘致件数は市でも年間3件程度であり、町や村では年間1件にも満たない状況となっている。企業誘致といっても、その誘致の条件はケースバイケースであることが多く、どのような制度が望ましいかは不明である。今後はこの点について精査を行っていく。2018年度は9月と3月に共同研究者と打ち合わせを行い、2019年12月に第2回の全国自治体調査を実施することを確認した。また、第1回調査では担当部署が複数の担当課におよぶ質問設計をしていたたため、回収率が下がった可能性もある。そこで、第2回の調査では企業誘致担当部署のみに関係する質問票を設計する。また、第1回調査と同様に自治体の議会が開催されていない12月に実施することも決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度中に2回目の全国自治体調査を実施する予定であったが、代表者の所属変更等の理由によりそれが実施することができなかった。そのため、研究機関の延長申請を行い、2019年12月を目途として第2回全国自治体調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
第1回の全国自治体調査は2015年12月~2016年2月に実施している。その際、過去の実績として2011~2013年の3か年の企業誘致実績について質問をしている。2014年に地方創生法が施行されるなど、前回の調査の対象期間から、地方創生への期待が大きくなっている可能性がある。そこで、2019年12月を目途として第2回の全国自治体調査を実施する。第2回での質問期間としては、2015~2017年度の3か年を設定する。第1回の調査でも明らかになったように、企業誘致制度を整備している自治体もあれば、そうではない自治体も散見される。そのため、第2回調査では、どのような自治体が同制度を策定するのかという傾向を分析する。第1回の調査と第2回の調査とを比較し、自治体の企業誘致・立地に関する実績がどのような変化をしたかを把握するとともに、それをより誘発するためにはどのような誘致制度が望ましいかということを精査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属機関変更等の理由により、研究の進捗状況に遅れが生じてしまった。その結果、2018年度中に実施予定であった全国自治体調査を2019年度に実施することとした。そこで、全国自治体調査実施費用として上記金額を次年度使用額として繰り越している。
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