研究課題/領域番号 |
16K13379
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
谷 祐児 旭川医科大学, 大学病院, 講師 (70768689)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療経営 / 中小規模民間病院 / 経営モデル |
研究実績の概要 |
本研究では,これまであまり注目されなかった中小規模民間病院にフォーカスし,安定した経営基盤を獲得するための病院経営について,他院連携をはじめとした外部環境への対応,医療情報システムなどを活用した内部環境への対応を戦略,組織そして会計といった統合的観点から解明する研究であり,これから推進すべき経営モデルの構築を目指すものである。期間3年間を想定し初年である今年度は,中小規模民間病院の経営実態把握としてパイロットヒアリング調査およびアンケート調査および集計を実施し,次年度以降に詳細な分析を実施する計画であった. 研究進行状況としては概ね順調である.院内での倫理申請の後,プレ調査にて作成したアンケート調査用紙をもとにアンケート調査用紙の作成し,全国の中小規模民間病院(200床未満)4528施設を,20床以上100床未満病院2458施設と100床以上200床未満2070施設に分け,それぞれ77%である1900施設および1600施設を無作為に抽出し合計3500施設に対してアンケート調査票を郵送にて送付した.なお,昨年度はプレ調査として北海道内の中小規模民間病院329施設(回答施設数75施設 回答率22.8%)に対して同様の調査を実施したため,北海道内の中小規模民間病院は今回の調査対象から除外した.また,本アンケート調査による研究に際して所属先である旭川医科大学倫理委員会にての審査を経て承認の上で調査を実施した.これらの作業は,本研究の中で基礎的データとなるもので,まだ全国規模の同様の調査はこれまでなく有用な調査データである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り進行しており,研究はおおむね順調である.
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今後の研究の推進方策 |
2年目である29年度では,初年度にアンケート調査により収集したデータを集計し大まかな状況の把握を行う.これをもとに,詳細な分析を実施する.これは,統計分析手法を用いた分析を想定している.現在想定している分析手法としては以下の通りである. (ア)回帰分析,因子分析や主成分分析などによる病院経営における重要要件の抽出(イ)上記によって抽出された重要要件に対して共分散構造分析による要件間の関係性とその関係強度の把握(ウ)クラスター分析を用いたクラスタリングによるタイプ別病院分類とそれらの特徴の明確化(エ)各クラスターにおける病院経営に対するKPIの比較・検討 (オ)各クラスターにおける病院経営に対する重要要因の探索および抽出前述アンケート調査にて得られたデータとともに,初年度に行った文献レビューを合わせた仮定的なフレームワークおよび経営モデルの構築を行う.ここで作成したフレームワークの実証性を補足,検証するために,当該病院に対するヒアリングを10件程度実施する.なお,研究成果については適宜関連学術分野の学会などにおいて継続して報告や論文執筆を行う予定である.なお,学会については国内学会だけではなく国際学会も視野に入れて報告活動を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が発生したのは,アンケート調査入力のための人件費および統計分析調査用の統計ソフトを購入費用を繰り越したためである.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では,調査のためヒアリングや成果発表のための学会出張に必要な旅費を中心に ,繰り越した統計分析ソフトの購入およびデータ入力のための人件費を使用する計画である.あわせて,統計分析手法や医療経営の知見を追加するための調査文献収集費用なども合わせて支出する計画である.
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