本研究プロジェクトでは、ロボティクスとアントレプレナーシップの領域横断的研究成果として、ロボッティクス分野での大学発ベンチャーを創出することを目的としたものである。当初は、山口大学における研究プロジェクトとして起案したが、研究代表者の高瀬が京都大学に転出したため、研究計画を変更した。京都大学は、指定国立大学として、学内に大学ベンチャーファンドやコンサルティング会社を持ち、より産学連携活動をより積極的におこなう必要があり、研究成果は、結果として、いくつかの競争的資金を獲得し、大学発ベンチャーの創出や投資として結実した。 特に、起業家育成という点においては、産学連携本部側からビジネススクールに対して、大学発ベンチャーの経営者候補の育成が求められた事情もあり、熟達した起業家の意思決定に関する理論として、エフェクチュエーションに基づく起業家育成プログラムを開発したこともあり、その普及活動をおこなった。その結果、正式科目としてビジネスプランを開発する講座のみならず、課外活動、同窓会活動として起業活動を推進する「起業部」の発足することとなった。 代表者の高瀬が移籍した京都大学ビジネススクール・京都モノづくりバレー(JOHNAN)寄附講座における研究会のアウトリーチ活動は、京都大学工学研究科メカトロニクス研究室との連携によって、寄附元企業の経済産業省スタートアップファクトリー事業採択、群知能のJAXAへの採択と、World Robotics Challenge レスキューロボット部門優勝機への技術供与協力とつながり、ロボティクス分野の産学連携と起業家育成へのエコシステム形成への原動力となった。
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