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2016 年度 実施状況報告書

労働者mobilityと経営財務行動

研究課題

研究課題/領域番号 16K13387
研究機関九州大学

研究代表者

内田 交謹  九州大学, 経済学研究院, 教授 (80305820)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリスクテイキング / リストラクチャリング / 労働者mobility / 資金調達 / 株主構成
研究実績の概要

本研究は、①日本のデータを用いて労働者mobility (従業員平均勤続年数・年齢や業種レベルの離職率等)がリストラクチャリング及びリスクテイキング水準に与える影響の分析、②国際企業財務データを用いて国レベルの従業員平均勤続年数・雇用調整速度がリストラクチャリング実施確率・リスクテイキング水準などに与える影響の分析をテーマとしている。本年度はプロジェクト初年度であり、これらのテーマについてサーベイ及びデータベースの構築が主な目標であった。
サーベイについては、上記労働者mobility の代理変数を用いた研究や国際データを用いて労働者法規制の効果を検証した論文等のサーベイを行った。また、国際データを用いた研究実績のある東京工業大学・井上光太郎教授を九州大学のセミナーに招聘し、議論を行った。また労働経済学を専門とする九州大学・橋本由紀講師と定期的にディスカッションを行い、関連研究の知識を深めた。これらのサーベイの成果を一部収録した論考を書籍(分担執筆)として刊行した。
日本のデータベースについては、Nikkei NEEDS JCW を用いて、2001年~2015年における日本のリストラクチャリングのイベント・データを整備した。このデータをNikkei NEEDS Cges 及び、Nikkei NEEDS FinancialQuest 掲載の財務・コーポレートガバナンスデータ、業種レベルの平均離職率のデータ等と結合し、分析用データベースを構築した。なお、企業レベルの従業員平均勤続年数・年齢のデータは現在データ収集作業中である。
国際データについては、ビューローヴァン・ダイク社のOsiris及びThomson Reuter 社のDatastream を用いて、2004年~2014年の財務データベースを構築し、国レベルの労働者関連法規制のデータと結合したデータベースを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の重要課題であった先行研究サーベイを順調に実施でき、国際データを用いた研究実績のある東京工業大学・井上光太郎教授、労働経済学を専門としている九州大学・橋本由紀講師の協力もあり、本研究の中心となる労働者 mobility に関する関連研究の知識を予定以上に深めることができた。
またデータベースについても、おおむね順調に構築が進んでおり、実証分析の実施が可能な状況に近づいている。日本の企業レベルの従業員平均勤続年数・年齢についてはデータ収集が終了していないが、平成29年度でカバーできると判断している。

今後の研究の推進方策

平成29年度は研究代表者・内田が本務校よりサバティカルを得ており、本プロジェクトに集中的に時間を費やせるため、実証分析を大きく進捗できると期待される。またサバティカルを利用して米国 University of Utah に滞在しているため、国際データについてデータの補充を行う予定である。また米国人研究者と積極的に議論するとともにセミナー、米国の学会に参加することで先端研究の情報収集を行い、研究のクオリティを高めることができる。

次年度使用額が生じた理由

手入力で収集していたコーポレートガバナンス関連のデータについて、市販のデータベースで対応できる可能性があることが判明したため、作業を一時停止し、市販のデータベースに関する情報収集を行った。

次年度使用額の使用計画

市販のデータで本研究に必要なコーポレートガバナンス関連のデータがカバーできる場合は、H29年度にそのデータの購入費用に充てる。市販データではカバーできない場合は、H29年度にアルバイトを雇用し、謝金支払いに充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 点検 ガバナンス大改革 ―年金・機関投資家が問う、ニッポンの企業価値―2016

    • 著者名/発表者名
      格付投資情報センター編集部
    • 総ページ数
      300(分担執筆部分33ページ)
    • 出版者
      日本経済新聞社

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公開日: 2018-01-16  

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