研究課題/領域番号 |
16K13388
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
松下 元則 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (60458122)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域イノベーション / 函館西部地区バル街 |
研究実績の概要 |
平成29年度の主な研究実績は、以下の2つである。 第1に、『北海道新聞』の記事を分析することによって、函館西部地区バル街(以下、バル街と略記)の定着時期を推定し、定着過程において新聞記事が果たした役割を検討した。より具体的には、バル街が函館市とその周辺地域(以下、地元と略記)に定着する過程で、地元で最も購読者数の多い『北海道新聞』はバル街という地域イノベーションについて、何を、どのように伝えてきたのか。バル街の定着時期を推定し、定着過程において『北海道新聞』の記事が果たした役割を検討するために、1988年7月1日から2017年6月28日までに『北海道新聞』に掲載された、本文あるいは見出しに「バル街」という単語を含む420件の記事を分析した。分析の結果、次の2点が析出された。1点目は、「バル街は定着した」という認識が地元住民の間で広く共有されるようになった時期、すなわちバル街の定着時期は、第1回目(2004年2月16日)の開催から3年半が経過し、参加者数が3,000人を超えた、第8回目(2007年9月9日)の開催後であったと推定された。2点目は、『北海道新聞』がバル街に関する記事件数とバル街という単語の使用回数を一定水準以上に保ちつつ、多様な執筆者によるバル街の魅力と楽しみ方を伝える記事を掲載し続けたことは、地元住民がバル街を知り、参加するという行為にプラスに作用した可能性が高い、ということが確認された。 第2に、バル街という地域イノベーションが地域社会に及ぼした影響を分析するために必要な、函館西部地区のマクロ環境の変化に関する量的データの収集・整理を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
函館西部地区を取り巻くマクロ環境の変化に関して、本研究の遂行に有益な大量の量的データを発見したため、インタビュー調査を中断して、量的データの収集・整理を進めた。研究計画策定時に想定していなかった大量の優れた量的データを収集することができたため、それらのデータに関する追加的な作業が必要になり、当初の予定通りにインタビュー調査を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
上記の量的データの整理・分析を進めるとともに、平成29度に実施できなかったインタビュー調査を行う。具体的には、バル街に直接あるいは間接的に携わっている多様な行為主体へのインタビュー調査を行い、バル街に直接あるいは間接的に携わっている多様な行為主体の視点からバル街の歴史的プロセスを了解する作業を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:研究計画策定時に想定していなかった大量の優れた量的データを収集することができたため、それらのデータに関する追加的な作業が必要になり、当初の予定通りにインタビュー調査を実施できなかったため。
使用計画:インタビュー調査を行うための旅費として使用する。当初は平成29年度に実施する予定だったインタビュー調査を函館西部地区で実施する。
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