基金繰り越しによる本年度の活動目的は、国際会議での論文発表であった。これについては、2018年6月に23回International Eur0-Asia Research Conference での研究発表を行った。また、2019年3月に International Rview of Business (Kwansei Gakuin) 19 号での論文が掲載された。 3年間の研究期間全体を通じて、グローバルな事業展開をする多国籍企業による発展途上国への技術移転、環境取り組みの移転、さらにはサプライチェーン全体への移転を研究した。持続可能な社会のためには、先進的な技術や経営取り組みがグローバルに普及することが重要であり、本研究では、日本企業による環境経営の海外子会社および現地サプライヤーへの移転波及に焦点をおいて研究した。 研究成果は、2016年に国際会議IFSAM2016で発表したほか、上記のEuro-Asia Research Conference で発表した。また、国内学会誌および紀要に研究論文を発表してきた。 わが国企業による環境経営への取り組みについての理論的な研究は依然として少なく、海外事業への環境経営取り組み移転やサプライチェーンでの取り組みについても研究が蓄積されていない。その点で、本研究は理論的に先進性があり、価値ある研究である。本研究は、海外子会社を通して現地取引先への環境マネジメントシステムの移転、グリーン調達、有害物質管理システムの構築などがどのように移転され波及するのか分析を行ってきた。
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