研究課題/領域番号 |
16K13395
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研究機関 | 岡山商科大学 |
研究代表者 |
古川 澄明 岡山商科大学, 経営学部, 教授 (10148992)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 和僑 / 華僑 / トランスナショナル・ビジネス / 印僑 / 比喬 / 和僑会 / アジア起業 / アジア・ビジネス |
研究実績の概要 |
先行研究実績を中心に、和僑がどのように捉えられているのかについて、資料収集と既存研究を調査研究した。その結果、次のことが判明した。 第1に、華僑・印僑・比喬・韓喬等(それぞれ民族出自国から全世界に移住した中国人・インド人・フィリピン人・韓国人等とその子孫)が全世界に散在する。それに対比して、戦後の造語である「和僑」(日本人の在外移定住者)がアジアを中心に世界各国に散居するとはいえ、とくにビジネスを営む日本人在外移定住者の経済的勢力も小さく、その歴史も浅い。第2に、アジア地域での和僑ビジネスと日本の地方ビジネスの連携進展が日本の地方発展の可能性を示している。第3に、華僑や印僑の出自本国への送金が本国際収支の重要な要素をなしている。和僑の国際的存在力は比考に値しない。第4に、華僑、印僑等には、二重国籍を捨て、現地の国籍を取得する者が増加しているが、和僑の多くは現地帰化を望んでいない(推測)。第5に、アジア各国で就職あるいは起業する青年日本人が増加傾向にある(推測)。また日本人を取り巻く犯罪発生の調査研究も必要となっている。第6に、日本政府による外国人勤労者受け入れ促進政策に鑑みて、管見では、日本に定住あるいは帰化する外国人について、和僑・華僑・印僑等の視点から実態調査・研究を行う学術的必要性と社会的意義が高くなっているとの所見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究を進めるなかで、以下の学術的諸事情が判明したことから、それらに起因にして、必ずしも所期の成果を上げていない。(1) 本研究課題は、新開拓分野である。日本企業の現地進出事業と和僑ビジネスとの概念区分を行うことで後者の概念措定を行う必要がある。(2)アジア地域に散居する和僑ビジネスは業態も規模も多様である。したがって、多くの調査研究の蓄積の上で初めて、実態を解明できる。本研究の成果だけをもって、和僑ビジネスの定義や一般化は学術的過誤の危険を冒すことになる。(3)事例調査研究の積み重ねが必要である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、最終年度延長期間である。次の研究推進を計画している。(1)和僑ビジネスの事例を取り上げて、一つの事例研究実績を残す。(2)和僑ビジネスと日本の地方ビジネスのアジア進出との関係について事例研究の実績を残す。(3)今後、和僑研究の学術的重要性と今後取り組まれるべき研究課題を提示する。因みに、華僑研究の厚い実績(CINII検索論文・図書は戦前以来2500件)に対比して、和僑研究は、その学術的重要性が高いと思われるにも拘わらず、薄い(学術・非学術併せて論文等27件、図書7件)。
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次年度使用額が生じた理由 |
所期の成果を上げるために、事例調査を実施する。
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