本挑戦的萌芽研究は、消費者向けロボットの技術的特徴と法的環境が顧客価値と消費者行動に与える影響、及びその文化・製品類型・使用パターンによる差を解明することを目的とする。この目的を達成するために、平成28年度と平成29年度に既に開始した、自動運転車に関するアンケート調査(日本、中国、米国、フランス、ボリビア)を継続し、ボリビアから追加のデータを収集し、そのデータを電子化した。その後、データの信頼性と妥当性を確認し、信頼性が低いデータを削除し、残りのデータを、分析に必要な形に変換した。 また、自動運転車を対象にするアンケートを踏まえて平成29年度に設計・実施した、4つのロボット(自動運転車、掃除機ロボット、ペットロボット、人間型ロボット)を対象にするアンケート調査(中国)を継続し、日本語に翻訳し、日本で小規模のサンプルを収集した。その後、収集したデータの信頼性と妥当性を確認し、信頼性が低いデータを削除し、残りのデータを、分析に必要な形に変換した。 次に、統計的分析を用いてデータを解析し、仮設を検証し、そして研究成果を学術誌に掲載し、学会で発表した。まず、消費者が従来の商品から消費者ロボットのような破壊的イノベーションに基づく技術製品に切り替える意思決定の要因を分析した。その結果、破壊的技術製品の相対的な経済的価値は、同製品への切り替えに最も強い影響を与える。次に強い影響を及ぼすのは、周囲から受ける社会的影響、製品の性能に関する期待度、製品の利用を簡易にする条件、製品の購買・利用に必要な努力に関する期待度である。また、独自技術製品に比べて、ネットワークの外部性を有する技術製品に切り替えることを検討する際には、購買・利用に必要な努力に関する期待度の影響力がより高いこと及び、性能に関する期待度の影響力がより低いことを見出した。次に、消費ロボットの購入動機を分析した。
|