本研究の特徴は,規範的会計研究と経験的会計研究を融合した会計学の研究方法を確立するところにある.現在の会計学研究の状況は,これら両者の研究が完全に分断されており,このことが会計学の進展に対して大きな障害になっている.しかし,大半の研究者は規範論または経験論のいずれかにのみ依拠しているため,規範論として優れた研究であっても,外的妥当性に欠けていることが多いいっぽう,経験論として優れた研究であっても,内的妥当性に欠けているということが常態化している.本研究は両者の長所を取り込むことによって,(分断された形では期待できない)内的妥当性と外的妥当性のバランスのとれた研究方法を確立することを試みた.
|