研究課題/領域番号 |
16K13409
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野上 元 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50350187)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 防衛省 / 自衛隊 / 軍事組織 / 軍事社会学 / 戦争社会学 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、挑戦的萌芽研究の二年目として、研究計画上重要な複数の課題を進めることが出来た。 昨年度に引き続き、研究資料の収集を行った。収集の範囲は、軍事社会学・軍事史・防衛省・自衛隊・防衛大学校に関する学術書や広報誌のみならず、ルポや手記、白書や年鑑、校史・入試問題などにも広がった。国会図書館憲政資料室・議会官庁資料室・新聞資料室などでも資料調査を行った。 防衛大学校・同大学院で社会学を教える河野仁教授の取り計らいで、再び防衛大学校の見学、院生との交流、図書館の見学を行った。横須賀市の軍事関連施設や軍事関連遺構の見学を行った。 また、所属校の学士課程のゼミを使い、既存の「自衛隊と社会」研究・自衛隊広報研究の検討をさらに進めた。ゼミでは土浦市にある予科練平和館に隣接する自衛隊武器学校を見学し、スタッフの解説を受けた。自衛隊が登場する大衆文化作品の調査・分析を行ったほか、ゼミ生はつてを頼り、それぞれ関係者に簡単なインタビューを行うなどした。水戸で行われた自衛隊茨城音楽まつりの見学も行った。京都大学のスタッフや関係者を中心とするミリタリーカルチャー研究会に参加し、このグループが行っている意識調査に関する分析報告(例えば自衛隊広報に関する意識調査の項目について)を行った。 これらの成果として、自衛隊の軍事組織としての比較社会的な性格づけを、2018年7月にカナダのトロントで行われるISAの大会で報告すべく、エントリー用のアブストラクトを作成し、報告が採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ISAでの成果報告にエントリーし採択された。当初より、本研究は国際比較を行って海外の研究者に問わなければ意味がないと考えおり、国際学会での報告は目標であった。年度後半より2018年7月にトロントでなわれるISAの報告準備に追われているが、報告後はこれを速やかに論文化する予定のため、概ね順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、防衛省・自衛隊関係者、大学・大学院の講義や演習とも連繋させながら、資料調査ならびに聞き取り調査を進める。自衛隊研究者のネットワークも次第に構築されつつあるため、最終年度の成果とりまとめに向けて、国際比較も絡めながら研究を遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での成果報告(ISA2018での報告)が決定し、学会費や参加費を最終年度に支出することが必要になったため。平成29年度の執行計画を見直し、最終年度の成果報告のために使用することにした。
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