日本にあまり紹介されていない軍事社会学の成果を吸収し、日本の自衛隊に対して社会学的にアプローチする手掛かりを得ることが本研究の目的であった。特に、各国軍隊を事例として比較研究に組み込んでいるチャールズ・モスコスの「ポストモダン・ミリタリー」というフレームワークの理論的可能性・応用可能性をその後の論争も含めて探り、これまでその特殊性からとられがちだった自衛隊の社会的性格を文化的な側面から考察する糸口をつかんだ。成果を最終年度夏にカナダで開かれた国際社会学会(ISA)のセッション「総志願制軍隊、募兵・徴兵I」で報告し、各国軍事社会学者と交流した。成果を現在、英語論文・日本語論文として執筆中である。
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