本研究では,明治期の学校創設時に遡り,和歌山県内で設置された小学校,中学校の廃校および現役校の校地の位置,沿革,災害履歴などの情報を文献と現地調査により収集,整理した。現地調査は2271件になった。これにより過去145年間で和歌山県内に設置された小中学校,尋常小学校,廃校のほぼ全ての学校の位置情報を確認した。その全ての地点を公的なハザードマップと照合し校地の安全性を評価した。その結果,土砂災害では8割の校地が危険地を避け,防災上の価値を持つなど,校地選択における先人の知恵の確からしさが明らかになった。研究成果をわかりやすくまとめ,『紀北の廃校』および『続続・地産地消大学』として出版した。
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