本研究は、これまでは適職マッチングや合理的配慮の提供、職域拡大等、就労(雇用)の量的改善を目指す議論になりがちであった先行研究を踏まえて、職場内の社会的な関わりにおいて生じる「誰から見てのことか」という立場の違いによる視点及び認識に重きを置いている。これらは、雇用される【障害当事者】、ともに働く【同僚】、経営者や雇用管理担当者となる【上長】としての立場であり、それぞれの視点や認識を明らかにすることは、当事者の安定的な就労・雇用への深い理解と支援に寄与するだけでなく、あらゆる労働者の雇用の質的改善につながることに社会的意義がある。
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