部落会、町内会など沖縄県の地域自治組織の形成原理は本土諸府県におけるそれと大きく異なる。市町村合併や都市化の進展によって歴史的に生成された旧字を単位とする戦前の“字コミュニティ”は、戦後“自治会アソシエーション”と変身するのが一般的な展開であるが、沖縄県ではそうではなかった。それは最大都市の那覇市においてさえ同様であった。現那覇市は旧那覇市に加えて旧首里市、旧真和志村、旧小禄村から成るが、旧那覇市には多少とも本土と同様の都市化を反映した自治会組織の形成を見ることが出来るが、他の地区はいずれにおいても概して旧町内会と旧部落会を単位として形成され、旧字民が新規の加入者を忌避する傾向があるのだ。
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