昨年度までの2年間において「技法の有効性」に関してはストレスマネジメント技法としてのTREおよびリセットの沖縄県内島嶼地域の社会的養護関連職員のストレスマネジメント・スキルとしての有効性の検証を2期4回にわたって実施しワークショップ実施当日の肯定的変化について確認できた。その後のアンケートの結果より、有効性を実感したスキルであっても、日々の多忙な業務の中でそのスキルを継続できるかどうかが課題となる点が再確認できた。また、島嶼地域特有のストレスの有無については、利用者との生活圏が重なる事によるストレスと同時に、個人のサポートネットワークやストレス発散方法の種類によっては狭い地域性故に逆にサポートネットワークが活用できるという肯定面も確認された。また、「関連専門職員のストレスマネジメント・システムの構築と有効性の検証」に関しては、地域において職場組織を超えた研修会が不十分であると感じられている状況が確認できた。ストレスを原因として離職する職員がみられる状況については、ストレスマネジメント的な対応と共に、専門スキルの向上をはかるための研修会の実施や、状況に応じた専門的知識・技能の提供の必要性も確認された。 最終年度においては過去の実践研究において課題としてあがった「リセットのプラクティショナー(実践者)の養成」の有効性の検証を実施した。リセットの開発者の協力のもと、ワークショップ終了後に新たにフォローアップを1ヶ月間実施する工夫も加えた。個人的なストレスマネジメントへの活用のみでなく身近な職員等への指導も可能なスキルを取得した状況においても、その継続的な活用は限定的であった。今後の課題としては、既に各個人が活用している様々なストレス発散方法への今回取り上げたスキルの融合の可能性の確認ともに、職員の離職予防という観点からはこのようなスキルの組織単位で活用の検討も今後の課題といえる。
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