研究課題/領域番号 |
16K13434
|
研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
中村 佐織 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (80198209)
|
研究分担者 |
齊藤 順子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (30288443)
西梅 幸治 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (00433392)
加藤 由衣 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (30611991)
河野 高志 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50647237)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ソーシャルワーク / 教育プログラム / 研修システム / アジア諸国への発信 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、まず、研究代表者や研究分担者が日本で行っているソーシャルワーカー教育をアジア諸国(韓国・台湾・中国)で活用や応用することができるかを検討することにある。次には、活用・応用できる内容を吟味し、比較的進んでいる日本のソーシャルワーカー専門教育や研修をアジア諸外国に発信していく方法を考えていこうとするものである。 そのため本研究では、はじめにアジア諸国のソーシャルワーカー研修や教育の現状を分担して把握した。次に、各分担者が日本のそれぞれの大学や社会福祉職員・教員に実施してきた研修プログラムを精査した。それらを踏まえて、特に今回は、研究代表者が受け入れている中国人大学院生を仲介者にして、比較的まだハード面の充実も少ない中国(内モンゴル自治区)で、プログラムの試行を行った。 現地の資格や研修制度・地域・文化の状況を視野に入れて事前に作成したレジュメ等(中国語)を用い、内蒙古佐后旗陽光家政培訓基地(家政婦紹介所:家政婦=地域・家庭での介護の担い手)において、研究代表者が中国人の大学院生(通訳兼務)と二人で1日研修を行った。 その成果として、事後アンケートによると、まだ資格や制度などが未整備とはいえ、このような研修に受講生は満足しており有効であったと考えられる。具体的には①支援する利用者への意識や対応の確認、②自身の行っていることに対する専門性への意識の覚知、である。しかしその一方で、③この職種への社会的地位の低さに対する不満(認知度や給与など)も明らかになった。 このように試行的ではあるが、アジア諸国で具体的ケア技術に加えたソーシャルワーカーとしての基礎的教育の意義は大きい。ゆえに次の課題は、固有な専門職教育方法と研修プログラム内容の検討が不可欠になると考える。
|