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2017 年度 実施状況報告書

大人による育児語使用と子どもの言語発達

研究課題

研究課題/領域番号 16K13468
研究機関東京大学

研究代表者

針生 悦子  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70276004)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード育児語 / 言語発達 / 言語入力 / 乳児期 / 語彙獲得
研究実績の概要

大人が小さな子ども(特に乳児)に話しかける時には,声は高く,抑揚も大げさに,というように,独特な話し方(対乳児発話 Infant-Directed Speech)になることが知られている。これに加えて,日本語では,犬のことをワンワンと呼ぶなど,子どもに話しかけるための独特な語彙(育児語)が用いられたりする。本研究課題においては,大人が子どもに話しかける言葉(育児語を含む)は子どもの月齢が進むにつれてどのように変化していくのか(変化しないのか),また,それと子どもの言語発達とのあいだには何らかの関係が見られるのか,について調べるため,昨年度から引き続き,①横断調査(6か月から18か月の子どもを持つ養育者対象),②短期縦断調査(子どもが18か月,24か月の,2時点での縦断調査),③長期縦断調査(子どもがゼロ歳台のときから24か月に至るまでの期間にわたる縦断調査)を実施してきた。横断調査についてはH29年度中にデータ収集を終え,子どもの月齢にともなう,養育者の話しかけ(言葉かけ)の発達的変化について,その概要をつかむことができた。②についても,H29年度中に,追跡予定のサンプルから1回目のデータはすべて収集し終えることができ,H30年度に24か月時点のデータを収集することで調査を終了できる見通しとなった。③についても,対象者からはこれまで,子どもが生後6か月,もしくは10か月を始点とし,ほぼ3か月ごとの縦断的な調査への回答を得ることができており,H30年度中には予定通り24か月時点のデータまでとり終えられるところまで進んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

子どもの成長にともなう変化を縦断的に追跡する研究計画であるが,予定どおりのスケジュールで進めることができているため。

今後の研究の推進方策

予定どおりデータ収集を進めるとともに,全体の結果のまとめ,および,論文化の作業に入る。

次年度使用額が生じた理由

縦断調査への協力者への謝金を,都度払いでなく,すべての縦断調査の終了後にまとめて払うことにしたため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Japanese mothers’ use of infant-directed special vocabulary ikujigo: Its age- related change and role in children’s word learning.2017

    • 著者名/発表者名
      Haryu, E., & Saito, Y.
    • 学会等名
      Society for Research in Child Development
    • 国際学会
  • [学会発表] Use of infant-directed special vocabulary fosters word learning.2017

    • 著者名/発表者名
      Haryu, E.
    • 学会等名
      Workshop on Infant Language Development
    • 国際学会
  • [学会発表] 母親の育児語使用:月齢変化と子の初期語彙獲得への影響2017

    • 著者名/発表者名
      針生悦子
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会 自主シンポジウム「育児語を考える」

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公開日: 2019-12-27  

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