研究課題
具体的内容: 本研究の目的は,高齢者のエンド・オブ・ライフへの態度の実態とニーズを把握した上で,そのケアに資する実践的ツールを開発することであった。令和元年度は計画に基づき,次の課題に従事した。(1)高齢者へのエンド・オブ・ライフへの態度についての日米の調査データを解析し,学会誌及び学会での発表を行った。またデータの解析を進め,現在複数の論文の投稿準備である。あわせて(2)ライフエンディングワークの実践を通じて内容の改良を行った。また協力研究者や実践者との複数回の打ち合わせを踏まえて,作成したツールをより多くの高齢者や支援者に広く利用してもらうために刊行する方針を固めた。現在具体的手順を協議しており,今後早い段階での刊行を目指す。意義: エンド・オブ・ライフについては,医療現場でのケアに関連した研究が多数を占めており,高齢者施設入居者や自立的生活を営む大多数の高齢者のエンド・オブ・ライフについてはこれまで十分検討されていない。とくに高齢者が有するエンド・オブ・ライフへの態度の実態と関連要因についての詳細な心理学的考察は極めて乏しい。またエンディングノートや終活セミナーなど様々なツールのほとんどは学問的知見に裏付けされたものではなかった。こうした状況に鑑みて,本研究は高齢者のエンド・オブ・ライフへの態度と関連要因を明らかにし,かつそれに資する具体的なツールを構築することを目指すものである。重要性等: 孤独死や高齢者自殺の問題などについて取り出される昨今,超高齢社会において人生の終盤(エンド・オブ・ライフ)をいかに過ごすかは重大な問題である。本研究は,この問題解決に資する,基礎的な研究知見の提供と,実践的ツールの作成を目指している点において重要である。
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OMEGA - Journal of Death and Dying
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https://doi.org/10.1177/0030222819854926