研究課題/領域番号 |
16K13496
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
下山 真衣 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (00609620)
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研究分担者 |
岩佐 和典 就実大学, 教育学部, 准教授 (00610031)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 知的障害 / メンタルヘルスの不調 / 心理療法 / PAS-ADDチェックリスト |
研究実績の概要 |
平成28年度に作成した日本版PAS-ADDチェックリストを用いたわが国の知的障害のある成人を対象としたメンタルヘルスの不調の調査について統計分析を行い、研究分担者とその結果について討論し、論文執筆を行った。完成した論文については、国際誌に投稿し、現在修正再査読の過程にある。この論文では、わが国の知的障害のある人のメンタルヘルスの不調の発生状況について報告しており、知的障害ある人への心理的な支援に携わる専門家や家族にとって貴重なデータが提供できる。また、知的障害のある人を対象とした心理療法の開発の一環として、カウンセラーや心理士へのインタビューを実施するための質問項目の選定、対象者の選定を進めた。現在、研究参加者とのインタビュー実施のため、日程調整中である。同時に、知的障害のある成人の心理療法についての洋書の翻訳作業を研究分担者とともに進めてきており、原稿が全て集まり、校正作業中である。 知的障害のある人のメンタルヘルス研究会を平成29年8月と平成30年3月に開催し、実際に知的障害のある人の心理相談支援を行なっている心理士やカウンセラーの課題や改善点について検討した。平成29年10月には、栃木県総合文化センターで行われた第26回日本LD学会大会にて、自主シンポジウムを開催し、知的障害の程度によってメンタルヘルスの支援が変わってくること、成人のニーズに合わせて支援を行うことの必要性が確認できた。今年度に予定している海外実地調査の準備のため、研究協力者と連絡を取り、目的や予定の確認を行った。来年度は研究最終年度であり、これまでの研究をまとめ、発表するため研究分担者と検討を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
去年度に行なった報告の通り、PAS-ADDチェックリストの翻訳のための交渉が時間がかかり、当初の計画よりも調査実施が遅れてしまった。そのため、次のインタビュー調査の研究への着手が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、以下3点を挙げる。 1.心理士への面接調査を実施するにあたって、インてビューを効率よく行うために、複数のインタビュアーで実施する 2.海外実地調査の内容をまとめ、海外の現状と日本における適応方法について検討する 3.研究最終年度として、これまでの研究成果をまとめ、シンポジウムや研究会で発表する
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査が遅れ、その旅費が発生しなかかったため。次年度においては、インタビュー調査のための旅費として使用する予定である。
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