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2017 年度 実績報告書

迷走神経系刺激による不快感情の制御とその神経基盤

研究課題

研究課題/領域番号 16K13504
研究機関名古屋大学

研究代表者

大平 英樹  名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード生理
研究実績の概要

迷走神経は脳と身体を双方向的に繋いでおり、特にストレスや恐怖・不安などの不快感情に伴う脳と身体の反応を適切に制御するために重要な役割を果たしている。本研究では、経皮迷走神経電気刺激(transcutaneous vagus nerve stimulation: tVNS)による迷走神経活動の亢進によって、不快感情と、それに伴う交感神経系・内分泌系・ 炎症の各反応への制御を促進できるかを検討する予定であった。しかしながら、tVNS装置は欧米では一般に研究に使用されているが、現時点で日本へ輸入することは困難であることが判明した。そこで迷走神経活動を刺激するための代替方法として、1分間6回の深呼吸(吸気4秒、保持1秒、呼気5秒)を用いることとした。この方法を用いた予備実験により、心拍変動性(heart rate variability)の低周波(low frequency: LF)成分が顕著に増強され、実験参加者の迷走神経活動が顕著に促進されたことが示された。そこでこの方法による迷走神経刺激群(N=15人)と統制群(N=15人)を設け、この実験操作後に、不快感情を惹起する画像を提示して、主観的感情状態・交感神経系反応(心拍・皮膚電 気活動)・唾液中のコルチゾールと炎症性サイトカイン、を測定する実験を行った。迷走神経刺激群では感情制御機能が促進され不快感情に伴う心理生理的反応が低減すると予測され、この仮説に整合する方向での効果が見られたが、統計的に有意な効果は得られなかった。この原因として効果量に比してサンプル・サイズが小さすぎたことが考えられ、今後、より大きなサンプル・サイズでの検討を行う必要があることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 予測的符号化・内受容感覚・感情2017

    • 著者名/発表者名
      大平英樹
    • 雑誌名

      エモーション・スタディーズ

      巻: 3 ページ: 2-12

    • DOI

      10.20797/ems.3.1_2

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 内受容感覚に基づく行動の制御2017

    • 著者名/発表者名
      大平英樹
    • 雑誌名

      BRAIN and NERVE-神経研究の進歩

      巻: 69 ページ: 383-395

  • [学会発表] 感情神経科学の25年2017

    • 著者名/発表者名
      大平英樹
    • 学会等名
      日本感情心理学会第25回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] ポジティブ感情の神経生理的基盤2017

    • 著者名/発表者名
      大平英樹
    • 学会等名
      第76回日本公衆衛生学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 母子の心臓活動の同期-内受容感覚における予測的処理の発達2017

    • 著者名/発表者名
      大平英樹
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会

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公開日: 2018-12-17  

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