研究課題/領域番号 |
16K13506
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 洋紀 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (10332727)
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研究分担者 |
楊 家家 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 助教 (30601588)
福永 雅喜 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 准教授 (40330047)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 視覚警報野 / ストレッサー / RSVP / 脳波 / 注意 |
研究実績の概要 |
大脳には猛獣の姿のようなストレッサーに対処するための適応系が備わり、その中核は扁桃体にあると考えられている。本研究の目的は、『扁桃体以外にも、感覚的ストレッサーを処理する未発見の領野がヒト大脳の辺縁部である帯状回峡に存在し、視覚警報野と呼びうる機能特性を持つ』という仮説を検証することである。初年度は、視覚警報野を同定するためのfMRI実験を実施し解析を行った。仮説通り、視野周辺運動刺激に対して帯状回峡の賦活が見られ、この領域の活動は注意が周辺からそれている時に高まることがわかった。さらに、帯状回峡の課題時の機能結合を調べたところ、海馬や扁桃体等の情動に関与する脳深部領域との結合が見られた。次年度は、以上の解析をさらに進めた。特に、注意との関連、神経結合に関する分析を詳細に行った。また、視覚警報野との注意との関係を調べる眼球運動測定実験の準備を行い、様々な視運動刺激を使って予備実験を行い、実験パラダイムを模索した。 本年度は心理実験による危険察知を誘発する視覚刺激の特定と, 脳波による脳内処理メカニズムの検証を目的とした。危険察知は中心視野で難課題を実行中に視野周辺に運動刺激を提示すると駆動される。中心負荷課題としてRSVP(rapid serial visual presentation)課題を使用した。実験の結果、RSVPの成績は周辺運動刺激が中心目標刺激提示の直後に提示された際に向上することがわかった。これに呼応するように、脳波にはRSVP開始後170-190msにおいて、後頭部に先行して前頭から頭頂付近にかけて差が見られた。この高速な処理は視覚警報システムが関連している可能性を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の第一目的であった視覚警報野の発見に関するfMRI研究では他研究グループに後れをとったが、心理実験と脳波実験の実施により、未解明であった視覚警報野の機能や反応特性に関して新たな知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのfMRI実験、心理実験、脳波実験を統合して、視覚警報野の機能特性について解析を進めることで、考察を深め、論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画の遅れにより、論文投稿が次年度になり、それに伴って、次年度使用額が生じた。
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