研究課題/領域番号 |
16K13507
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金山 範明 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 特任助教 (90719543)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 感覚 / 触覚 / 感情 / fMRI / 脳波 |
研究実績の概要 |
本年度は、予定されていた素材の選定、機器の開発、予備実験、fMRI内でのノイズ状況確認、機器の改善、行動実験の遂行と、予定されていた検討内容が完了し、脳科学的実験を行う準備が完了した。一部予定されていた実験を行う必要がなくなった分、省略したものがあることを除いては、全て計画通りに進んでいる。また計画には盛り込まれていなかった、他感覚モダリティとの比較というトピックを盛り込むことで、成果の汎用性を上げる試みを開始した。以下に詳述する。 第一に、予定されていた素材の選定に関して、2016/04/21、05/12、06/03、06/19と協議のためのミーティングを行った。この結果素材に関しては、市販の素材を参考にしつつ、広島大学内で単独に素材選定、収集を行うこととした。素材選定に関しては、数十の素材を検証し、fMRI実験に使用可能と判断された8素材を厳選した。 第二に、予定されていた装置の開発に関して、2016/05/13、06/19-20、12/20-22、その他電話、遠隔会議などで多数のミーティングを行った。この結果、6月20日にプロトタイプが完成し、運用試験実験を11月まで重ねた。12月に最終調整を行い、触覚刺激装置が完成した。その後fMRI内でのノイズチェック実験を行い、十分に小さなノイズ付加で運用が可能であることを確認した。 第三に行動実験に関しては、厳選した8つの素材を、12種類の呈示の仕方で合計96種類の触感刺激を提示し、それに主観的な感情及び触感評定を行わせる実験を50名の参加者に対して行った。本結果は解析中であり、来年度の発表及び出版に向けて知見の整理及び、共有ミーティングを行っていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要に述べた通り、計画された検討は全て予定通り完了し、これに加えて新たに多感覚比較というトピックを盛り込んだ。さらにMEGでの検討なども進めており、こうした新たなトピックは今後の挑戦的萌芽研究の継続的な獲得を動機づけるものとなっている。
|
今後の研究の推進方策 |
予定されている研究を進めていくと同時に、翌年度以降の研究の継続につながる検討を開始し、新たな科学研究費への応募を目指す。具体的には、予定されていたfMRI実験を行い結果を発表するとともに、新たに得られた多感覚比較というトピック及び脳磁図への応用などの点に関して、連携研究者と協議の上、研究計画を策定する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
申請者は同年度から若手研究Aにおいても助成金を受けているが、こちらと機材等を共有して研究を行うことができるため、備品等の効率的な共有により資金が適切に節約できたところがある。具体的には、本年度は研究補助員を雇う必要なく事業を遂行することができたため、主に人件費の点で大きなアドバンテージがあった。さらに、既存の高額な触感サンプルセットを購入する必要なども、協議の結果なくなったので、その分の予算も必要なくなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
fMRIのランニングコストなどが、当初予定では所属研究室のものを使うために発生しないことを予定していたが、実験の迅速な推進のためには、研究費を投入してスキャン数を増やすなど、研究の迅速な遂行に充てる。一方で、当初予定していた予算額からは厳格されている部分があるため、その分に補填できると考えている。
|