近年、睡眠は、記憶に必要な生理活動であることが明らかになっている。しかし、本研究の結果からは、視覚運動順応課題では睡眠の重要性は低いことが推測された。本研究で用いた仮眠(90分間)には、レム睡眠とノンレム睡眠の両方が含まれていたので、両睡眠とも視覚運動順応課題の学習には関与が薄いことが推測された。また、本研究の結果、視覚運動順応学習は、主観的な「楽しさ」とは無関係に生じることが明らかになった。潜在記憶に分類される記憶は、主観的な感情とは別に生じることを示唆する結果である。本研究の成果、睡眠と記憶に関する知識が深まり、さらなる研究への手がかりを得ることができた。
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