研究課題/領域番号 |
16K13518
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
桐淵 博 埼玉大学, 教育学部, 研究員 (00726622)
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研究分担者 |
関 由起子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30342687)
中下 富子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50398525)
野瀬 清喜 埼玉大学, 教育学部, 名誉教授 (60156198)
戸部 秀之 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70273745)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 救命教育 / BLS / 学校事故防止 / 教員養成 / 教員研修 / 学校の危機管理 |
研究実績の概要 |
平成31・令和元年度は、令和元年8月までの3年間に開催された都道府県や市町村教育委員会、教育研究会等主催の研修会等参加教職員のうち、講演を聞いた6334名のアンケートを集計し分析した。また、この結果と、平成30年7月にさいたま市教育委員会の協力を得て実施した同市立学校教員対象のアンケート回答者3026名の集計結果とを比較分析し、BLS(Basic Life Support=一次救命)に対する学校や教職員の課題を明らかにした。分析は、「管理職」「養護教諭」「保健主事・安全担当」「その他の教員」の4群に分けて行った。その結果、全体としてBLS受講経験やBLSに対する「自信」など、多くの質問項目で群間に有意差が認められた。「管理職」と「養護教諭」はBLSに対する積極性や自信が高く、その他の2群は低いという傾向が見られる。また、さいたま市内外の比較では、全ての群で受講回数や自信などについて、さいたま市の方が有意に高いことが明らかとなった。これらから、定期的な受講と併せて救命・非救命の実例を踏まえた重要性の理解、「誰もがやる。皆でやる」というBLSの社会的意義の理解の重要性が明らかになった。 その他大学生や一般市民の反応も含め、我が国の学校教育の現状と照合して考察し、学校安全の向上に係る課題を整理した。BLSを社会に定着させるためには、小学校からの救命教育の体系を確立することが重要である。そのため、教員養成課程においては「学校安全」を必須科目としてBLS及び救命教育を位置づけ、安全管理と安全教育両面の能力を育てること、養護教諭と保健体育科教員については専門的な内容の教育を実施しリーダーとして育成すること、学修は実習によるスキル獲得だけでなく学校事故の実例などを踏まえ「マインド」を育てるよう工夫すること、また、これらを現職教育(教職員研修)と同時に展開することの重要性を明らかにした。
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備考 |
〇4年間の研究成果をまとめた冊子を自主製作し、教育大学協会加盟大学教育学部、都道府県・政令市教育委員会等関係者に送付した。また、公益財団法人日本AED財団HPのダウンロードページ(上記)に掲載した。 〇本研究は、さいたま市教育委員会の組織的協力を得て進めてきたものである。
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