研究課題/領域番号 |
16K13521
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
林 寛平 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10726376)
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研究分担者 |
佐藤 仁 福岡大学, 人文学部, 准教授 (30432701)
黒田 友紀 日本大学, 理工学部, 准教授 (60631851)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大規模国際アセスメント / PISA / テスト開発 / グローバル教育政策市場 / Education 2030 |
研究実績の概要 |
本研究は、国際アセスメントが内包する政治的なメカニズムを明らかにするために、国際アセスメントの開発に関わる世界のテスト機関に注目し、誰が(アクター)どのように(過程)テスト問題を開発しているのかを分析することを目的としている。最終年度である本年度は、研究実施計画に従い、これまでの研究成果をまとめ、公表することに重点を置いた。 研究代表者の林は1年間にわたりスウェーデン・ウプサラ大学に客員研究員として滞在し、STEP(Research Unit for Studies in Educational Policy and Educational Philosophy)に参加して北欧諸国の教育学研究者と交流し、本課題の成果を共有した。本年度は国際学会等で3件の発表をした他、英文書籍の刊行、日本教育学会の学会誌への投稿等を行った。分担者の佐藤は『比較教育学研究』に「教育借用から考える「場」としての規範的比較教育政策論の可能性」と題する論文を投稿し、本課題の成果を公表した。 3年間の研究を通じて、世界のテスト機関がアセスメントを開発する意図と、そのプロセスについて明らかにし、さらにテスト機関が思い描く教育アセスメントの未来像についても触れることができた。特に、テスト開発における各国機関の技術的特色が明確になった点は大きな成果であった。 また、本課題を通じて、テスト開発の一連のプロセスが開発、運営、分析、活用などの各段階に分けられることを見出した点は有意義であった。現状は開発や分析などの技術的検討に焦点があたり、活用目的に応じた政治的メカニズムの解明が進まないという問題点が明らかになった。今後は、本研究の成果を発展させて、活用段階の学術的検討がさらに進むことを期待したい。
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