研究課題/領域番号 |
16K13528
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷口 京子 名古屋大学, 国際開発研究科, 学振特別研究員(PD) (10773012)
|
研究分担者 |
山本 容子 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (10757173)
平川 幸子 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (80314780)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 項目反応理論 / 古典的テスト理論 / 学力測定 / 学力 / アフリカ |
研究実績の概要 |
平成29年度は、昨年、マラウイで実施した学力テストのデータを古典的テスト理論(Classical Test Theory: CTT)と項目反応理論(Item Response Theory: IRT)を用い、分析を行った。学力テストの教科はチェワ語、英語、算数、ライフスキルであった。テストの目的は、チェワ語・英語は基本的な読解力、算数は基礎的な計算力、ライフスキルは基礎的な知識を測定することであった。分析結果、チェワ語は、予想以上に全体的に正答率が高く、問題は全体的に少し易しめで、比較的能力が低い生徒を十分に測ったテストであることが分析された。問題一問一問の困難度は低かったが、識別力はどの問題も十分の高い値であった。英語は、能力が平均的な生徒を測ったテストであり、意図した難易度であった。問題の困難度はばらついており、低い能力から高い能力まで測定できていた。識別度は、低い問題はなかった。算数は、能力が平均より少し高い生徒を測定したテストであり、意図していたより生徒が低い計算力であることが分析された。困難度は、英語と同様に、問題によってばらつきがあり、低い能力から高い能力まで測定できていた。識別力は、低い問題はなかった。ライフスキルは、チェワ語と同様に、能力の低い生徒を十分に測定したテストであり、全体的に易しいテストであった。困難度は、ほとんどの問題が低かった。識別力は、低い問題はなかった。以上から、チェワ語とライフスキルはテストの難易度少し易しかったものの、本研究では基礎的な知識が習得することを目的としているため、作成した問題は目的に合致していたと言える。また、識別力が非常に低いような問題が存在せず、作成した問題は良問であったことが分かった。 また、本テストと同様なテストを11月にガーナの公立小学校3校と私立小学校3校の6校で、実施した。現在、データを分析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに、進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度に収集したガーナのデータを分析する。また、結果をマラウイと比較し、マラウイやガーナで同様な結果であるのか、国独自の結果であるのかを分析する。得られた結果を学会発表し、論文投稿する。 本年度はアフリカもう一ヶ国、エチオピアで、マラウイやガーナで行ったテストと同様なテストを実施する予定である。そして、マラウイ、ガーナ、エチオピアの三ヶ国の結果をまとめる。また、これら三ヶ国の結果を比較する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年は研究分担者と予定が合わず打ち合わせができなかった。そのため、研究分担者に予め渡した分担金が来年度に繰り越しになった。本年度、分担者と昨年できなかった研究の打ち合わせを行い、研究を進めていく予定である。
|