研究課題/領域番号 |
16K13531
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
押田 貴久 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (40573879)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 指導教諭 |
研究実績の概要 |
本研究は,平成28年度から30年度の3年間で進めていく。平成28年度には,指導教諭制度が導入される以前から取り組んできた宮崎県等の指導教諭(・スーパーティーチャー)へのインタビュー調査【教諭調査1】を実施してきた。 まずは基礎調査として、全国の指導教諭の配置状況の確認を行った。導入当初の2008(平成20)年度には8県市428人であったが、2016(平成28)年4月1日現在、全国67都道府県・政令市のうち24都府県市(約36%)に2,269人配置されている。同時期に導入された主幹教諭(20,782人)は56都道府県市(約84%)に配置されており、都道府県で配置方針に相違がある事がうかがえる。また、小・中・高・特別支援の各学校に配置しているのが12都府県市、義務制学校のみが5県市、県立学校のみが1県、高校以外が3市、特別支援学校以外が3県市と同様に都道府県市による配置方針の相違が考えられる。 また、所属先が宮崎大学から兵庫教育大学へ年度途中で変更したこともあり、宮崎県内で行う予定であった調査を前倒しで行ってきた。宮崎県新任指導教諭研修会を参観し、宮崎県内での指導教諭の位置付けや実態等を確認した。また宮崎県教育庁教職員課において、スーパーティーチャー制度の現状と課題について、インタビュー調査を実施するとともに教職員録等で60人の指導教諭、17人のスーパーティーチャーの配置先を確認し、過去5年分の動向を把握した。 スーパーティーチャーや指導教諭の授業公開並びに研究会を参観した。スーパーティーチャーの授業力はもちろんのこと、事後研修会等における指導助言の場面を窺い知る事ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は宮崎大学から兵庫教育大学へ年度途中で異動したこともあり、前任地の宮崎県を中心に【教諭調査1】を進めてきた。義務制の指導教諭を中心にそのキャリアや職務、課題等についてインタビューする事ができた。また、学校管理職へ転じた元指導教諭へのインタビューなども実施できた。一方、宮崎県以外での調査が行えなかった。 基礎調査から指導教諭配置県・市は36%にとどまり、また配置パターンにも相違がある事がわかり、【行政調査1】の質問紙調査も画一的なものではなく、工夫が必要になる事も確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度には,全国の都道府県・政令指定都市への質問紙調査【行政調査1】と訪問調査【行政調査2】を進める。また,指導教諭への質問紙調査【教諭調査2】を企画・実施する。前年度の【教諭調査1】をまとめ,日本教育経営学会等で発表し,論文化する。 【行政調査1】では,47都道府県・20政令市教育委員会に対する質問紙調査により,各自治体における指導教諭のキャリア,任用・給与や職務の実態と今後の施策に関する傾向を導き出す。 【行政調査2】では,全国学力・学習状況調査で平均正答率の高い県(秋田県,福井県)や特徴的な取組をしている自治体への訪問調査を行い,指導教諭のキャリア形成,任用・給与や職務の実態を確認していく。可能であれば,指導教諭へのインタビュー調査も併せて行う。 【教諭調査2】では,前年度の【教諭調査1】並びに【行政調査1】を踏まえ,指導教諭への質問紙調査を実施する。宮崎県をはじめ,いくつかの都道府県・政令市の指導教諭を対象に実施する。 最終の平成30年度には,【行政調査2】の追加調査と【教諭調査2】の分析・考察を進め,研究成果をまとめ,日本教育経営学会や日本教育行政学会を中心に研究発表・論文投稿を行う。最終的には,報告書として刊行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新所属先で学生バイトが確保できなかった事も有り、データ処理等を自身で行った。また、埼玉県や広島県等への【教諭調査1】が実施できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
【教諭調査1】の旅費として支出したい。
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